前回のデートから2ヶ月以上経ち、
恋人の誕生日の数日後。
やっとデートの回数が、二桁になった。
前年の夏みたいに、浴衣を着て花火大会に行ったが、花火が始まる直前に雨が降ってしまい、撤退することにした。
私は恋人と一緒にいられるだけでもすごく嬉しかったけど、彼は人混みに疲れてしまった様だった。
更に、人混みに堪えて花火会場に行ったのに、雨に降られたことに堪えられなかった様だ。
彼と私が花火会場を去ろうとする頃、これから花火を見ようとする恋人達が逆方向から押し寄せて来ていた。
結局、花火自体は雨が降っても決行していた。
彼氏は人混み苦手
でも私は2人でイベントに参加するのが夢で…
その日のデート後のメールは、「今日はお疲れ様でした」という言葉はあったけど、「楽しかった」という言葉はなかった。
首都圏に昔から住んでいて人混みに慣れている私には想像できないくらいの苦痛を、彼氏は感じるのだということを、その日に悟った。
私は、恋人と一緒にイベントに参加することは昔からの憧れだった。
だけど、世の中には人混みに堪え難い苦痛を感じる人もいる。
イベント事は、ほぼ全てが人混みの中で行われる。
この様にお互いの望みが異なる場合でも恋人関係を続けたいなら、どちらかが相手に合わせなければいけない。
私は彼と別れたくなかったので、二人だけで最大限に楽しめる方法を模索することにした。
彼への誕生日プレゼントは、部屋で使えるインテリアをあげた。
あれ…?そういえば私の誕生日は2ヶ月前だったけど、彼からプレゼントもらってないぞ…?
人混みが苦手なのは病気?
私は、彼の様に人混みが苦手な感覚は最初は全く共感できなかった。
母が花火好きで、幼い頃から人が多い花火会場に行っていたおかげかもしれない。
でも、彼の様に人混みが苦手な人が世の中にいることを知ってから、自分も徐々に、その感覚がわかる様になった。
学生時代までは満員電車は平気だったけど、大人になるに連れて疲れを感じる様になった。
演劇でプロの舞台に立つ様になった時、演出家が「感覚が開いている人というのは、例えば人混みが苦手な人が多い」と言っていた。
日常生活では困ることが多いけど、人混みが苦手なのは敏感だということで、芸術的感性としては活きてくるらしい。
人が持っている「気」やエネルギーを受け取り過ぎるということか。
でも、同じ人混み苦手でも、お祭会場の様な皆が盛り上がる場所は大丈夫な人もいるので、本当に個人差がある。
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